痛みの原因となっている硬い筋肉は、知覚神経を圧迫して痛みを生じさせます。
そのような部位に鍼が入ると、筋肉はそれを刺激(侵害刺激)と認識してさらに収縮を強めます。
すると、痛みを出している神経をさらに締め付けるため、症状が悪化した時と同じような痛みが再現されます。
つまり、悪化した時と同じ痛みが再現されたということは、鍼が痛みの原因箇所を的確に捉えた証拠なのです。
これを中国鍼灸では『気至有効(きいたるゆうこう)』や『得気(とっき)』と呼び、一般的には『ヒビキ』と表現されます。
治療効果の重要な指針として、最も重視される感覚です。
逆に言えば、このような感覚が起こる部位に鍼が届いていなければ、十分な効果は期待できません。
具体的なヒビキの感覚とは、『酸麻重腫(さんまじゅうしゅ)』、つまり『だるい、しびれる、重い、腫れぼったい』といった感覚を指します。
当院では刺激の強さを調整し、患者様に合わせて無理のない範囲で施術を行っておりますので、どうぞご安心ください。
太い血管や神経は体の深部にあります。
特に骨に密着している深い層の筋肉は、表面の筋肉に比べて、骨と周囲の筋肉に挟まれ強い圧力がかかりやすいため、血管や神経を圧迫する原因となります。
こうした深層の筋肉に直接アプローチすることで、痛みの根本原因を解消することが可能になります。
置鍼とは、鍼を刺入したまま一定時間置くことをいいます。
当院では部位によりますが、通常30〜40分ほどお時間をいただきます。
長く置く理由は、筋肉に『収縮』と『弛緩(しかん)』のポンプ運動を促し、血液循環を復活させるためです。
鍼を刺すと筋肉はまず収縮し、そのまま一定時間が経過すると緩み始めます。すると鍼がわずかに動き、その刺激で再び筋肉が収縮します。
この繰り返されるポンプ運動によって、滞っていた血液が流れ出し、老廃物が排出されて新鮮な血液が筋肉に行き渡ります。
その結果、筋肉が柔軟性を取り戻し、神経への圧迫が解けることで痛みが消失するです。
こうしたポンプ運動が活発になるのは、置鍼から約20分が経過した後です。
そのため、当院では治療効果を最大限に高めるべく、最低30分以上の置鍼を行っております。
筋肉の表面積や状態にもよりますが、硬くなった筋肉全体をしっかりと緩めるためには、ある程度の鍼の数が必要となります。
もちろん、本数は患者様のお身体の状態やご希望に合わせ、無理のない範囲で調整しておりますので、どうぞご安心ください。
当院では、北京堂創設者・浅野周先生が考案された『浅野式鍼治療』を行っております。
浅野式鍼治療は、主に筋肉に起因する痛みやコリの改善を目的としています。
浅野先生が中国鍼と解剖学を融合させ、多くの臨床経験の中で様々な治療法を実践され、最も効果の高かった手法を体系化されました。
本来、健康な筋肉には柔らかさと弾力があります。
しかし、筋肉の使いすぎや運動不足によって血流障害が起こると、必要な栄養が届かず老廃物が蓄積し、筋肉が硬くなってしまいます。
この硬結(しこり)が知覚神経を圧迫することで痛みが発生するのです。
このような部位に鍼を打つと『軸索反射(じくさくはんしゃ)』が起こります。
軸索反射とは、簡単に言うと血管が広がる反応のことです。
血管が広がることで血流が回復し、筋肉内の老廃物が押し流され、新鮮な酸素を含んだ血液が行き渡ります。
その結果、筋肉が柔軟性を取り戻して神経の圧迫が解除され、痛みが解消されるのです。
